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木洩れ日の休息・短編集【刀剣乱舞/R18】

第30章 いつだって突然、恋に落ちるのは(後家さに)


(ヒロインside)

後家兼光ことごっちんのことが入学してからずっと好きだった。一目惚れもあるが、彼の陽だまりのような柔らかな笑顔が大好きだった。
 学部は違うけど合同授業で知り合うことができた。初めて知り合い、授業を終えたタイミングで息を吸うように好きですとみんなの前で告白してしまった。ものすごいびっくりした表情をされ、丁寧に断られた。そりゃ初対面の相手に突然告白されたら当然だ。周りの人に冷やかされたが、好きなものは好きだから仕方がない、想いは相手に伝えなければ伝わらない。
 そんな出会いから、友人たちを交えて学食で昼食を時間が合う時は一緒に取っていた。彼と接していき人柄も知り益々好きになっていった。
 それ以降、隙あらば付き合ってほしいと毎日のように告白していた。
 しかし、いつも軽くかわされ続けてしまう。それでも諦めずにずっと好きだと伝えていた。
 彼はいつも困ったような表情で「ありがとう、でもきみとは付き合えない」と断られ続けていた。
 それでも私はごっちんのことを諦められなかった。

 だがある日、いつもと違うごっちんの返答に私はショックを受けた。いくら告白しても決して結ばれることはない、ごっちんに全くその気がない、私の今までの告白は彼にとって迷惑でしかなかったんだと。今更気づいてしまった。
 その日以降、私はごっちんに近づくことをやめた。彼の負担になりたくない、好きだからこそ離れる決意をした。彼には幸せになってほしいから。今まで迷惑かけてごめんなさい。
 彼には彼の幸せがあるのだから。

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