第29章 叶えたい願い事は…(雲次さに)
生まれて初めて好きになった人とお付き合い出来る事になった。
香澄の会社で既存品のPR活動で連れて来たのが雲次はお天気お兄さんのSNSでは有名な好青年で、実際に会うのは初めてだったのだが。
会社外の打ち合わせをしたいと言う彼からの希望で、オープンカフェが出来るところをセッティングした。
テラスに出る前にカウンターで店員にオレンジアイスティーと蜂蜜レモンアイスティーをオーダーする。
空いてるテラス席に腰をかけてると、雲次と香澄が注文する時から後ろに並んでいた人が吸い込まれるように彼の姿がみえる席に座って行って、あっという間に女性達で埋まっていた。
それでも流石お天気お兄さんの雲次は女性の視線が集まるのだが嫌な顔一つせず気を使いながら対応してる姿が印象的で。
『本日はお時間頂きありがとうございます
私如月香澄が担当させて頂きます』
「こちらこそ我儘を言ってこんな場所までありがとうございます
雲次です、よろしくお願いします」
自己紹介を早々に終わらせて仕事の打ち合わせをしていくのだが
話が進むにつれて二人の冷たい飲み物が太陽に照らされてグラスの中で溶けた氷がカランッと音を立てていく。
雲次の金色の髪の毛もお日様の下に照らされ透けて透明に見えてるのが綺麗で思わず見惚れてしまった
そして彼が笑うと太陽みたいにキラキラしてる周りが華やかになって気持ちも明るくなっていた。
いつもと打ち合わせする場所が違う効果なのだろうか
"早く終わって欲しい"思う気持ちがないのが不思議で、むしろ終わって欲しくない気持ちの方が強くなっていく。