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木洩れ日の休息・短編集【刀剣乱舞/R18】

第29章 叶えたい願い事は…(雲次さに)


《なんで……なんで私ばかりこんな目に合うの?》
そう心の中で愚痴を零した香澄は夜の会社で一人デスクに突っ伏して崩れていった。



何故こうなったのかは数時間前に遡る

会社で始まった新商品の企画のプロジェクト会議の時間、世間からイメージはチヤホヤされる紅一点とは違い男所帯と言われる中で戦いの時間の始まりで、香澄は気を引き締めなおす。

プロジェクターを使いながら分かりやすく纏めた資料を提示して、手元にもプリントした資料と照らし合わせやすいように、自分の時間を削りに削ってプライベートも休日も返上して一人で作り上げた。

誰に指示された訳でもなく、お給料が上がる訳でもなく…でもそれが当たり前と言わないばかりの雰囲気が嫌いで、投げ出してもよかったけど"敗北"を認める事になるのが嫌だった。

一通りの説明を終えて部屋の照明を暗くしてたのを明るくして、プロジェクターのスイッチをOFFにした。

『以上、私の新商品の提案になります』

「うーん…ボツかな」

「ココが分かりにくいよな」

《口で言うだけなら楽だろうな…
私だってそうしたいのは山々だから》

「主観が目立ち過ぎてるから」

「誰が見ても分かりやすく訂正案は明日までに仕上げて」

『はい、分かりました…
訂正案は残業して今日中に直します』

「今日は解散でいいかな?」

「明日も今日と同じ時間に集合という事で」

《あー…主観って言われてる部分が一番頑張ったところなのに…
どうして、自分以外の人はもっと何もしてくれないんだろう》

誰にも気持ちを悟られないように表情を出さずに隠すタイプだから、そんな私に対して誰かが声を掛けてくれる訳でもなく手伝いをしてくれる訳じゃない、誰かに頼りたい訳じゃないけど…味方は居ない孤独感に苛まれる…
残業は慣れたものだから、でも今日だけは残業をしたくなかった…。
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