第28章 ふたつの恋のシグナル(宗さにメイン)後編・その2※R18裏
そのやり取りをみながら宗三は自分から条件を切り出した。
「じゃあ、僕から…香澄さんに一切の連絡を取らずに、卒業式まで会わないって条件を果たせたら…結婚してもいいですか??」
「……それは本気で?娘の香澄があんたに対しての愛想を尽かしても??」
「…僕は彼女を信じてますから…何が合っても大丈夫ですよ」
自信満々の笑みを浮かべる宗三に、渋々とその条件に父は納得すると、家を出て宗三は少しずつ歩みを進める。
家から遠ざかると、先ほどの緊張は消えて…ふぅーと息を吐く。
…はぁ…自分で化した条件ですが…
2ヶ月近く会えないのは長く感じるだろう…
貴方に寂しい思いをさせるし、僕もこんな感情は初めてだ…
瞳を閉じると鮮明に残る…
貴方を抱いた感触を…声を…表情を…
こういう時初めて絵を描ける事を、仕事にして居てよかったと思えた
顔も…制服姿も…覚えてる
あとは隅々まで見た特権…肌も…身体も…
貴方に会えない空いた時間を掛けてじっくりゆっくりと色んな貴方の姿を描きたい…
だから僕も信じて…貴方を待ってますよ…
貴方も…僕を信じて待ってて下さい…
初めて出来た愛した人…
僕の手で抱きしめて
側に居たいと…初めて願う…
この願いを叶えてくれるのは香澄
ただ一人だけ、僕だけの愛おしい人、可愛い花嫁だから…
~終~