第27章 ○○しないと出れない部屋(後家さに)※R18裏
***
香澄が目が覚めると後家の腕の中にお姫様抱っこされて、起こさないようにゆっくり歩いてくれていたので振動が来る事はなかった。
「目…覚めた…??」
身体の疼きも落ち着いていて…どのくらい重い体を持ち上げ支えてくれたのか分からないので…。
『……あっ、うん…もう歩けるよ…///
降ろして…』
「ボクはまだこうして居たいけど駄目かな??」
『じゃあ本丸に着いたら降ろしてね…?』
「しょーち」
雨が落ち着き、本丸までもう少しのところで香澄は後家から抱っこを解いてもらい。
本丸の正門の前ではその場をキョロキョロしている薬研の姿が居て、二人の姿をみるなり駆け寄ってきた。
「大将、ごっちんさん
遅かったじゃないか、心配したんだぜ??」
『薬研くん、ごめんね…
通り雨が凄くて…雨宿りしてたんだ…』
「……心配かけて悪かったね」
二人の微妙な距離感と…"香澄の目と髪の毛が後家と同じ色"に変わっている意味を察した薬研は
「……ふーん、まぁ…何事もなくてよかったぜ」
『五虎ちゃんの修行も終わるから、迎える準備しないと…私ご馳走作ってくるね…』そう早口で言って足早に去っていく香澄を見送ると…。
「俺はこうなるとは思ってたけど、まさか今日とはな…ごっちんさん」
「………あ~…うんー、ごめん…薬研くん
って、いつ気がついたの?」
その薬研の問いかけに後家は視線を上に向けながら頭を掻きつつ言葉をもらす…。
「ごっちんさんが来てからすぐに…二人の視線とオーラみたいなもんが出てたからな
大将のこと、大事にしてやってくれよ?好かれやすい体質だからな」
「…大事にするよ、…ボクって案外嫉妬深いのかも…牽制も必要かなって思ったり…
五虎退くんの添い寝も…どうなるんだろうな…」
「今は"ごっちんさんの見た目"が移ってるから…分かりやすいが…さすがに五虎退も察したりするんじゃないか…?」
「そうかな…ボク達もそろそろ主を追いかけて手伝おうか…五虎退くんが帰ってくる前に」
「そうだな…」
後家と薬研は香澄のあとを追って厨に向かうのだった。