第27章 ○○しないと出れない部屋(後家さに)※R18裏
この本丸は"如月和臣"という一人の審神者が初期刀は山姥切国広、初期鍛刀は五虎退の三人から始まりの物語…。
如月の家系は刀剣男士を顕現する能力と治癒する能力に優れていて、他の審神者達はその能力は一つしか持てず…各自の本丸が在りつつも互いに違う能力を使い補っていた。
審神者の男性は珍しく同性という事もあり一緒にお風呂に入ったり…お酒を飲んでドンチャン騒ぎしても止める者は居らず…まるで男子高生に戻ったみたいで…和臣は刀剣男士と過ごす時を楽しんでいた。
戦場の攻略を組み立て時には負傷して帰ってきた刀剣男士の傷を癒した…。
傷を付けまいと練度も少しずつ強さを積み上げていき…敵陣を突破する回数を増えていた。
そんな何気ない日々が三年ほど続いた…その本丸に突然の終わりを告げたのは顕現と治癒の能力のどちらも発動しなくなってしまったのだ…。
原因は和臣自身も分からず…本丸を維持する事は不可能と感じた"時の政府は和臣を審神者から退かせる事"を決定した。
数日かけて今までの顕現した刀剣男士へ別れの言葉と額に御札を付けると刀の姿に戻っていくを和臣はいつも一人で見届けた。
その刀剣を握りしめて部屋の一室を保管庫として改装し壁掛けの刀掛けへ丁寧に置き…鞘を一撫でする…。
別れの日…山姥切と五虎退と始まりの時と同じ三人が集まり…
「…ふぅ…三年間か…短いのか長いのか分からないけど、あっという間だったな…今までありがとう…国広、五虎退…」
「さよならは言いたくない…」
「あるじさま…僕は…イヤです…」
布を深く被り表情は見えないが淡々と話をする山姥切と目尻に涙を浮かべて首を振り嫌がる五虎退。
「ここには居れなくなるが…でも大丈夫…僕には娘が居るんだ…絶対審神者になってこの本丸に帰って来てくれるから…それまで待っててくれ」
「約束する…力になる…俺達で…」
「……っ……、僕も強くなって守ります…」
「ありがとう…二人とも……娘を頼むな…」
そう言うと最後の二枚の御札を貼り終えた後…刀の姿に戻った二つ分の刀を握りしめて…保管庫の床の間に二つ分の刀掛けの台へ置くと…。