第21章 落ち込む貴方の笑顔がみたい(宗さに)
「……何があったんですか??」
『……なんでもないよ??』
「何でもないように見えないんですけどね…そんな目の下にクマ作って…僕がこうやって訪ねて来ても起きなかったじゃないですか??」
作業の手を止めて向かい合うと、香澄の顔をじっーと覗き込む目の下のクマを確認する宗三。
『……ううっ、それはちょっと仕事で疲れてただけだもん』
「我慢する事が…悪い訳じゃないんですよ?ただ貴方の場合は抱え込み過ぎなんです」
『……そんな事…ないもん…』
「甘えて下さいよ、僕には…僕だけには嘘つかなくていいんですよ…」
香澄の目元から透明な雫が流れる。
『……ねぇ……そーざ、…なんで分かるの…?』
「ずっと貴方を見ているからですよ…」
宗三は香澄を抱き寄せると腕の中でポツリと話を切り出した。
『………ッ、ぅ……あたしの我儘でみんなに迷惑かけてるのも分かるんだけど、みんなの力を合わせたらこの仕事が出来るって証明したくて…間違えじゃないって…
………でもいざ押し通すと違うって言われて…一人になっちゃって…
あたし…どうしたら良かったのかなっ……うぅ……』
「貴方の考え方がたとえ大人数に否定されても"僕だけは貴方の味方"です」
『…でも間違えかもしれないんだよ??』
「信じてるから支えたいんですよ、貴方を全てものから守るって決めてるんです」
『……もうすこし…だけ、ないてもいい??』
「僕の前ではいっぱい泣いて我儘言って吐き出して下さい」
香澄の額に口付けをするとポロポロと流れる涙を親指で拭うと、その指を顎に移動し唇にキスをすると
『……んっ、………っ、そーざ、ご飯食べたばかりで、その…』
「じゃあ僕と食後の運動しましょう…香澄」
『……ぁッ、それは運動にならないから』
含み笑いを浮かべながら香澄を抱き上げるとベッドに寝かせる宗三に反論が敵う訳もないと…そのまま流れに任せてしまう香澄と宗三の休日。
(おしまい)