第18章 彼のスイッチ(松さに)
《なんで…なんでこんな状況になってるの!?》
暑さに拍車がかかるとある昼下がり…香澄は"ある状況"から走り逃げていた…。
ことの発端はダンス部に所属している篭手切・桑名・豊前・松井の4人が文化祭の出し物であるダンスを額に汗を光らせながら練習をしている…体育館のステージでは今の時間は演劇部が使用していて屋外の炎天下でのダンスはいい運動になるのだが身体にある水分を持っていかれる結構ハードなのだ。
マネージャーを務める香澄が差し入れを持って行ったところに自分の恋い焦がれる相手の松井がそこには居て…。
「うーん、あそこの土…よさそうだな…
少しいじって来てもいい??」
「桑名、それは今の練習には関係ないからな??
でも俺も走りにいきてーな…」
「そう言う豊前せんぱいも走って行こうとしないで下さい…!!
あっ、如月マネージャー??どうかされましたか?」
『あの…少し休憩しないかなと思ってスポーツドリンク持ってきたんだけど…』
「ありがとうございます
みんな!少しリフレッシュしましょうか」
「………如月さん」
『松井くん??あの…』
「なんか……血の匂いがする」
『へっ??』
「松井せんぱいに言われなかったら気づきませんでした…私が知らない間にいつ…どこか怪我されましたか、香澄ねえさん!?」
『篭手くん、あのね、落ち着いて??』
あたしから血の匂いなんてするの…??
でも怪我は本当にしているから…
篭手くんはあたしの再従兄弟にあたる…
普段はマネージャーって呼んでるけど慌てたり素に戻ると姉さんと呼ばれる…。