第1章 1
きっと彼が毎晩のように私の元へ来る理由は、私が彼のものだと。彼が私のものだと互いに確認し合って安心することが目的なのだろう。嫉妬深い彼の気持ちに答えるには、愛し合う。これが一番最適なのかもしれない。しかし私も体力がありあまっているわけではないので、そう毎日来られると少々、いや、だいぶ困る。
心配なんかしなくても、私の心はずっとイソップのものなのに。
「……🌸さんおやすみなさい。」
疲労でほとんど意識のない私のおでこにそっと口付けをする。
「愛しています…。」
傍にあった温もりが静かに離れていくのがわかる。
おやすみなさい。また明日。