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おうちに帰ろう(鬼滅の刃 煉獄杏寿郎)

第7章 一緒にいたい。それだけです。


湯船に浸かって考える。
さっきの要は明らかにおかしかった。
顔もやけに赤いし、情緒不安定じゃなかったか…?

……俺のせいだ。
今日は要に、新たな決意を伝えて感謝するつもりだった。
なのに要の、俺を一生懸命に見つめて話す瞳を見たらつい…口付けをしてしまった。
要の方からも、俺に口付けを返してくれて、成り行きとはいえ、熱くなってしまった…。

きっと刺激が強すぎたのだろう。
可哀想だった。


恋愛は、初めてではない。
甲の階級になった頃…三年位前に、一人の女性に恋をした事はある。
美しい人だった。年上で、可憐な人だった。
俺は初めて人を好きになって、彼女に夢中になった。

彼女はいつも、任務の度に怪我をして帰ってくる俺を見て泣いていた。甲とはいえ、怪我は今より多かった。
鬼殺隊を辞めて、彼女の父親の事業を継いで欲しいと泣かれた。
愛しく思っていたが、任務より大切な物はなかった俺とは結局合わず、別れた。

今はもう、過ぎ去った事だと思える。
別の人と結婚した彼女の話を聞いても、心動かされる事はなかった。
気持ちは切り替えられていたから。

思いがけず、要と出会い、また人を好きになった。
今度は、大切にしたい。
早急に進めるつもりはなかったのに。

「…むぅ……。」

俺は浴槽に腕をかけて、しばらく考えていた。
要に恋愛の経験があるかはさておき、自分は
この恋をゆっくりと進めていく。
いくら好きでも、想いをぶつけて傷つけたくない。
人を好きになれた喜びが湧く。この想いは大切にしたい。
一緒にいたいと思った。


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