第1章 出会い
明るい。
そう思って、目を開いた。
炭「うっ」
あまりの明るさに、手で目を覆った。
涙のにじむ目を瞬き、明るさに慣らす。
炭「……あれ?」
手………。
鬼との戦いで負傷した左手に包帯が巻かれている。
まさかっ、と思い、同じように負傷した足を見る。
足にも包帯が巻かれている。
炭「いったい、誰が……。そうだ、禰豆子!!!」
俺は慌てて、最愛の妹の名を叫んだ。
筋肉痛の足を持ち上げ、必死に辺りを見渡す。
まさか、日に当たって……。
がりっっ。
そんな音がした。
炭「…?」
禰豆子の立てる音だ。
でも、箱は近くにない。
不思議に思いながら辺りをもう一度見渡す。
すると、見つけた。
見えにくいようにツタで入念に巻かれた、古い…。
小屋?
確かに、そこからガリガリ、という音がする。
あまりの心配から開けてしまおうと思った。
が、誰かが中にいるのならあまりにも失礼すぎる…。
でも、禰豆子が………。
うーん、と逡巡していると、小屋の扉がぎいいいいっ、と開いた。