第2章 忍術学園
「えー、本日は皆も存在には気づいておるであろうとある女性の紹介をしようと思う」
シナ先生から貰った同じ女性用装束に着替え、約束通り朝食の時間に土井先生って人に呼ばれ後を付いて行けば学園長の隣に立たされた。しかも台上。
辺りを見渡せば色とりどりの装束を纏った生徒達がいた。
鋭い眼差し、興味津々な眼差し、さほど興味のなさそうな子、様々な子達だなと呑気に思っていたら学園長に“自己紹介を”と言われてする。
因みに学園長先生から言われた事だがどうやら私は忍術学園の教育実習生という設定らしい。
「学園長先生よりご紹介に預かりましたと申します。本日より暫くの間この忍術学園で教育実習生として働く事になりました。くノ一教室で授業に入らせて貰います。暫くの間お世話になります」
(我ながらいい挨拶なのでは)
内心そう思い、一先ずこれで落ち着くだろうと安堵する。
(いくらシナ先生達が味方とは言え、その他からすれば突然の教育実習生という怪しさ満点。その上状況知ってる人は私は監視対象。穏便に済ませたいわけよ)
「いや、先生には追加で忍たまの上級生の授業にも入ってもらおう」
その一言で先程までの雰囲気が一気に変わり、更にピリついた雰囲気になった。
教職員は絶句。
生徒達、下級生軍は“あのお姉さんが?”等と女の私の事をヒソヒソと話している。
上級生に至っては“馬鹿にするな”と表情や視線が物語っている。
まさに十人十色だ。
(上級生からしたらくノ一の私に教示を受けるなんてプライドが許せないでしょうに)
「いやあの学園長先生。僭越ながら言わせてもらいますと私は忍と言え女でくノ一。なぜ私が忍たま、ましてや上級生の授業に入る必要があるのですか?くノ一が週1程度と聞いていますが、そちらの方を増やした方がお互いいいのでは、」
そういえば怪しい笑みを浮かべながら私に近づき人差し指をくいくいと曲げる。
「お主は確か山賊に襲われかけたくノ一教室の生徒を体術のみで助けたらしいの。くノ一、相手は山賊と言え数人の男相手に一人で倒した。実に優秀じゃ。そんなお主になら、忍たまの生徒相手問題ない!」
“それに”とさらに笑みを深めこう言ってきた。
「お主もくノ一として体が鈍らずに済む。いい経験ではないか」
「…」