第1章 空前絶後
(はぁ。やっと一息付ける…)
地べたに寝そべって気絶している山賊らを横目に呑気にそう思えたらどんなにいいものか。最早元の場所に帰る云々よりも一度脳を無稼働にさせ体を静養させたいものだと深々と思う。
正直の所、心地よい陽射しが木々の隙間から入り込んだ安らぎの雰囲気なんてものは無く、寧ろ真逆の張り詰めた静寂の中から異様なまでの殺気を感じる。
(気配的には三人、いや四人だな)
このまま此処を平然と立ち去るにしても、人目の着く場所まで行かなければ地獄の果てまで追われされそうだと嘲笑う。
なにせ自分と山賊らとの一件を終始見ていたのだから。
町娘に扮してでも素性を知るまでは追い続けられそうな勢いに溜め息が漏れる。
「そこにいるのは知ってますから、そろそろ姿を表して貰えますか」
「むっ、ばれていたか!」
「最初から我々の気配に気づいている様な口ぶりだな」
私の一言で一拍置き、無駄な音立てずに目の前に着地する彼ら。
やはり四人。行動と深緑色の装束的に忍であるには間違いなさそうだが些か見たことの無い服装である。
「私が山賊とやり合う前からいる事はしっていますよ」
だがじっと殺気の含まれた視線元い興味津々な眼差しを向け身構えること以外してこない。
(…何が目的なのかさっぱりわからん)
「くノ一にしては随分腕が立つ様だが、見慣れない服装だな」
「悪人では無さそうだし純粋に私はこの人と戦ってみたいぞ!」
「小平太、無闇矢鱈な戦いは控えろよ」
私を他所に繰り広げられる会話。
「私は貴方達と戦う事はしませんし手は出しません。ただ二つほど聞きたい事があります」
「ふんっ!そんな言葉を信じると思うか」
「文次郎、!…聞きたい内容によるな。なんだ」
紫色のサラサラした艶髪の男が答えた。質問を許可してくれる辺りは想像通りまともな相手らしい。
「木の葉の里、または火の国という所を耳にしたことはありますか?後、この額当てを一度でもご覧になったことは?」
そう言い首に付けている額当てを持ち見せた。
「その質問全てに対して“いいえ”だ」
ーーー
因みに夢主の服はシズネの浴衣みたいなやつに、それの丈が短いver.です。
額当ては首にネックレスのようにつけています。