第11章 鼓動
自分が、彼女に恋をしてると
気づいた日が、懐かしい。
悩んでいた俺を助けてくれたちゃん。
人のことを、まるで自分のように
悩んでくれて、助けてくれた。
そんなちゃんが
頬を赤く染めて、
好きだと言ってくれたのに……
「ゆ、夢みたい……ははっ」
「わ、笑わないでくださいよ!」
「だって、この前振られたかもって」
「この前は、ごめんなさい」
「ううん、俺が好きなのは、
そういうちゃんだからね」
気持ちが体に追い付かないかんじ。
やっと目が合った。
口にかかる髪を、耳にかけてあげると
たちまちちゃんは赤くなる。
「俺も、好きだよ……一番好き」
「うさぎなのに?」
「うん、うさぎだけど」
「褒めてます?」
「うーん……褒めてるっていうかねー」