第5章 ラッキーアイテム|緑間真太郎
次の日
高尾「真ちゃん!買った?」
緑間「買うのは辞めたのだよ」
高尾「へぇ〜、特別なラッキーアイテムなのに?つーか真ちゃん、よーく考えなよ?後悔しないように、な?」
緑間「…。」
高尾「あ、そうそう!これ返しててくんない?俺さ、用事あるんだよね〜」
と言い緑間の机にノートが置かれた。
緑間「おい高尾!誰のなのだよ!」
高尾「ん?名前書いてないっけ?」
高尾はそういうと教室を出て行った。
緑間は高尾に返して欲しいと言われたノートをみて呟いた。
緑間「…返しにくいのだよ」
よりにもよって桜田舞は一学年上の先輩だ。
緑間は特別意味はないバレンタインだと思いつつも、お返しはせねばと考えながら二年の舞のいる教室に向かった。
教室に入ると複数の視線が緑間に集まったが
緑間は気にせず舞の所へ歩いた。
緑間の視線の先には舞が居た。
男数人に囲まれながら何かを話しているのが見えた。
緑間が近づくにつれその会話の内容が耳に入った。
男A「え〜!?テニス部のアイツにするってこと?」
男B「違う?じゃあ誰なんだよ?」
緑間が舞の席に着くと
いきなり舞に腕をギュッ…と組まれた。
緑間「何なのだよ//!」
『えへへ♪』
男A「は一年?…って、あの緑間真太郎?」
緑間「何なのだよ」
男B「はっ、バスケ部だっけか?」
『そうよ!緑間くん本当に凄いんだから!』
男C「なにが凄いんだよ」
『緑間くんの成績はトップクラス!それにスポーツも出来て、何よりバスケ姿…本っ当に格好いいんだから!』
緑間「……」
男B「容姿だけじゃん!」
『なによっ!確かに最初は緑間くんの容姿からだったけど、色んなこと知っていくうちにもっと知りたくなって気付いたらバスケ部の練習見に行っちゃってたり…ってそこまで言わせないでよ///』
男C「…ちっ!」
男達が嘆く中、緑間は今まで感じたことの無い胸の熱さを感じていた。一体この気持ちは何なのか…。フと高尾の言葉を思い出していた───。
──────────
あの人って結構モテるらしいし…?もしかしたら他にも舞先輩に告白してるかもよ?
あの人は真ちゃんからの言葉、待ってると思う。