第41章 youth 【準番外編】
「あぁ…うん、ありがとう…?」
「…どーいたしまして、姫。」
レイがその面を外す前に、五条は面の上からキスをした。
面の額のあたりからチュッと音を立てて唇が離れる。
当然、レイはそれには気付いていない。
面を外したときには五条の顔は離れていた。
「俺も、レイを目覚めさせるよ。
それがたとえ、100年の呪いだろうと、なんだろうとね。」
レイはにっこり笑った。
「あぁ、眠り姫ね。
じゃあ悟はフィリップ王子かぁ…ふふ」
りんご飴を1口齧ってから今度は真剣な顔で言った。
「私も目覚めさせるね。
たとえ悟が白雪姫みたいにガラスの棺に閉じ込められていたとしても。」
五条の目が見開かれていく。
その瞬間、バンバンバン!と花火の打ち上がる音が聞こえた。
しかしレイは、見開かれたその蒼眼から目が離せないでいた。