第41章 youth 【準番外編】
明らかにピリピリとした空気になってしまっている。
レイは急いで声を上げた。
「っあ!本当なの!傑っ…ごめん、
私がおっちょこちょいだからつまずいて…っ」
「……そうなのかい?怪我は?大丈夫?」
瞬時に優しい声色と心配そうな顔で覗き込んでくる夏油にレイはまた顔が火照り出す。
「うんっ…全く平気。悟のおかげで…」
「……そう。ならよかった。ところでさっきは本当にごめんね。気にしないでくれ。」
「えっ、あっ、うん…」
何事も無かったかのようにまた手を繋いで歩き出す2人を見ながら、五条は舌打ちした。
「まずは俺に謝るのが先だろーが…」
「ぷっ…まぁ落ち着け。それよりさっきの女たち鎮めんのほとんど私が頑張ったんだけど?夏油なんかただニコニコ謝るだけで余計に向こうをイラつかせてたしぃ。」
「マジか。硝子には酒買ってやるよ。ったく俺って絶対傑より優男だわ。にしても…あいつのそーゆーとこどうにかなんねぇのかな…」
前を行く幸せそうな2人の後ろ姿を追いながら、こいつらにはそんな未来が来ませんようにと初めて祈った。