第41章 youth 【準番外編】
「おいレイ、このメン玉飛び出てる黒いやつを取れよ。」
「うん、いいよ。」
金魚の種類をよくわかっていないレイはクマの言葉に従い黒い金魚に狙いを定める。
「っわぁ!とれたぁ!」
「ちっ、逃がした」
レイと硝子の声が重なった。
「楽しすぎる〜!!」
はしゃいでいるレイに店主が言った。
「破れてもサービスでもう1枚ポイをあげるよ」
「ほんとですかっ!わぁい!」
さっきから肉巻き串を食べながら後ろで様子を見守っている五条と夏油は店主の妙な様子に気が付きつつあった。
店主は明らかに鼻の下を伸ばしてにやにやしながらレイと硝子の胸元を、金魚を覗くふりして上からジロジロ凝視している。
「っは。このオヤジ…」
苦笑い気味に言った五条の言葉と共に、夏油が盛大に咳払いする。
すると店主はハッと顔を上げた。
目の前で睨みつけてくる凄まじい気迫のヤクザのような二人の男にみるみる顔を強ばらせ、瞬時に視線を逸らし、椅子に座り込んだ。