第41章 youth 【準番外編】
お互い可愛いのは嬉しいが…
「ねぇ、うちら絶対浮くよね?マジ五条ありえん」
「うん浮くのは確実だね…確か浴衣って普通はこんなんじゃなかったはず。でも…とりあえず行くしかないよね?」
「あーもーほんっとあいつっ…」
「でも硝子可愛すぎるよ」
「レイもヤバすぎる。夏油の奴、鼻血出すかもよ」
そんなことを言い合いながら、とりあえずは待ち合わせ場所に行くために電車に乗った。
わけだが、やはり電車の中での視線がありえないほどこちらを注視していてレイは持っていたうちわでずっと口元を隠すという無意味な行動をしていた。
ちらほらいる"普通の浴衣"の女性たちや男性たちにコソコソされているのも非常に居心地が悪い。
「やっぱ私たちおかしいんだよきっと…」
「はーぁ…まぁこれも思い出作りと思うしかないかな」
硝子の言葉で、レイは少しだけ肩の荷がおりた気がした。
確かに言われてみれば…
これは忘れることのできない一生の思い出になりそうだ。
だってこんな着方をすることなんてこの先絶対にないだろうから。