第40章 scene ■
「あの時はレイがさ…」
五条がぽつりぽつりと静かに喋り出す。
「なにがあっても僕を目覚めさせるって言ったんだよ…」
「うん……覚えてるよ…」
「でさ……花火が上がってさ……
そう…感じたんだ…」
「…ふ…びっくり…。やっぱりそれも私と同じ……」
「そもそもあの日のレイは、もういるだけでやばかったからね…
その浴衣姿と写メの着物姿でぜーんぶ思い出しちゃったわ…」
「私も…。懐かしいなぁ……」
「あん時はあんま表には出さなかったけど、内心すんごおおく興奮してたんだよ。ははっ…もうマジで抱きたかった。」
「もおっ、恥ずかしいじゃんっ
でもあのときの悟もそーとーやばかったよ?」
「…かっこよかった?」
「うん…完全にヤンキーみたいだったけど…」
「っはは、レイもだよ」
「ふふっ…だね。」
「くくっ…今思うと、ホントやば過ぎたよね、僕達…」
「うん…まさに青春…だったよね…」
「間違いなく、青春だったね…」
2人の頭の中には今、二度と訪れることのない、
あの日の儚い情景が回想されていた。