第5章 possession
「ならレイも来るか?」
「えっ?!傑の実家に?」
「そうだよ、やだ?」
嫌なわけはないが、緊張してしまう。
私なんかが突然訪れていいのだろうか…
「い、嫌じゃないけど…っ。いいの?」
「もちろんいいさ。それにレイをここに1人で置いて行きたくはない。まぁ恐らく1人にはならないだろうけど…」
「え?…どゆこと?」
レイが残ると言ったら絶対に悟もここへ残るだろう。
そう思うと笑いが込み上げてきた。
「もう何一人で笑ってるの!」
トンっと胸を叩かれる。
「ごめんごめん、とにかく夏休みはずっと一緒。
うちにも来てね。そうしよう。」
「わかった」
傑のおうちに行けるなんて、いろいろ不安はあるけど楽しみが増えたなぁ〜
そう思って胸を高鳴らせる。
「早く夏休みにならないかなー…」
夏油がなにか言葉を返した気がしたが、心地よすぎてすでに意識を手放していた。