第40章 scene ■
縋り付くように、ギュッと抱き締めてくる五条の荒い息遣いと僅かな呻き声が、耳にかかる。
「っはぁ… レイ…きもち、い…っ…
…上手、だね…っ…」
「ん…そう?ふふふっ…」
「は…っ…楽しそうっ、だね」
「うん、楽しい」
「はぁ…それはなによりっですよ、姫っ…」
チュッと唇を奪ってから、またギュッとレイを抱き締める。
こんなの反則だよレイ…
本気でやばいよ…
レイからこんなことされちゃうと…
でも…でも…
「っは!でもダメっ!ストップ!」
限界が来ていた五条はレイを抱き上げバシャっと立ち上がった。
突然のことに唖然となる。
「えっ、なに?」
「もお無理っ。僕は限界ですっ、お姫様。」
湯船を出てそのまま壁際まで歩く。
「ほら、落ちないように足絡ませてて」
レイは言われた通りに五条の腰に足を絡ませ、首に両手を絡ませしがみつく。