第40章 scene ■
見つけたお洒落な甘味処へひとまず入った。
先程食べ歩きしたりカフェで抹茶を飲んだりしたけど、まだまだいろんな店のものを満喫したかったのでとりあえずお菓子付きのティーセットを頼んだ。
そして五条はというと、「これとこれとこれとこれとこれ」などという注文の仕方でほぼ全てのケーキ類を頼み、それをクマとつつきあっている。
そういえば考えてみたら…
クマはいつからこんなに悟みたいに甘党になったんだろうか…
などとどうでもいいことを考えていたら、
そこかしこからこそこそと声が聞こえてきた。
「あの人芸能人かな?」
「絶対そうっしょ。」
「グラサンとってみてほしいよね」
「何人?アーティストとかかな?」
歩いているだけでも道行く人の視線は五条に注がれていたし、この店に入った瞬間から注目されていることに気がついてはいた。
まぁここまで目立つ風貌なのだからそりゃあそうだろうと思いながら、五条に言ってみた。
「ねぇ、先生。」
「っは?僕?」
いきなり先生呼ばわりされた五条は手を止めてポカンとした表情で顔を上げる。