第40章 scene ■
「あ〜っ、えっと、みんなで行きたいな!せっかく皆そろっているんだし!」
レイの満面の笑みに、皆は無意識に頷いていた。
「やっぱお前のこれが、1番強ぇ術式なんじゃね」
「え?」
クマの意味不明な発言はさておき、なんとも統一性のないメンバーで京都観光することになったのだが、レイは内心嬉しくてしょうがなかった。
こんな機会はそうそうないだろうし、京都のことを全然知らないから案内してくれる人たちがこんなにいて助かったと思った。
しっかり全員に東京土産も渡した。
もちろん以前の五条のように気味の悪い人形ではなく、ちゃんと東京でしか手に入らない限定ブランドのタオルハンカチやお菓子など。
「レイさんはセンスがいいですね〜」
「例のあの人とは大違いね」
「あ、ぁあ〜…あれもあれで大切にしてあげて一応…」
なんと京都校メンバーは一応あの人形を飾ってくれているらしい。
変わり者集団でも意外と優しいというか、律儀だ。
今日もこんなふうに休みを返上して集まってくれた。