第40章 scene ■
そして京都校につくやいなや、まず最初に声が降ってきたのはまさかの空からだった。
「わぁあ〜!レイさんとクマちゃん!」
「あっ!びっくりした!魔女ちゃん!じゃなくって桃ちゃん久しぶり!」
レイが空を見上げて眩しさに目を細めると、箒で飛んでいた西宮はスルスルと降り立ってきた。
「じゃあ、レイ、観光する時はくれぐれも気をつけてよ?まぁクマがいるなら大丈夫だと思うけど。あとで連絡する。」
高専に入ってから、先程の態度とは別人のような空気を纏ってピリリとなっている五条の言葉に強く頷いて見送る。
「巡回してたんですよぉ〜」
西宮の言葉に目を丸くする。
空をずっと廻っていたのだろうか。
「えっそんなに待っていてくれたの?なんかごめんね」
西宮は、こうしちゃいられない!と言ってすぐさま他の者たちに電話をし始め、たちまち全員集合してきた。
「みんな久しぶりだね!元気そうでよかったぁ!」
「相変わらずクマちゃんもレイさんもかわいい〜♡写メっていいですか?」
「えっ、いいけど…。え、私とクマだけを撮るの?!どうせならみんなでっ」
言い終わらぬうちに三輪や西宮にパシャパシャ撮られる。
なんだか有名人にでもなったみたいで顔が赤くなった。