第39章 dignity ■
次の日も、またその次の日も、
彼は私を激しく求めてきた。
夢中で彼を感じ取ろうと、
私は必死だった。
体温や匂い、鼓動、吐息…
彼の思いが、気持ちが、
私の全身を抉っていく。
今までの彼の全てが、
苦しみも、悲しみも、悔しさも、葛藤も、
抱えきれないほどの
その
全てが
私の胸を締め付けて、
私の名前を呼ぶ度に、
愛の言葉を囁く度に、
それがまるで叫びみたいに聞こえて
全部全部わかってしまうから、
私を壊されてしまうくらいに
すごく
すごく
切なくて
そして
苦しかった。
.