第39章 dignity ■
何度も角度を変えて、これでもかと言うほど愛を注ぎ込むような口付け。
銀の糸が2人の口を繋いでいる。
「っは…ぁ…泣かないで、レイ」
「っ…だいじょ、ぶ…。悲し涙じゃないっ…よ…
嬉し涙…っ…」
それに……
「悟だって…っ…んんっ!ふ…んっ…」
眉を顰めて切なそうに潤んでいる五条の瞳。
銀の糸を伝ってまた瞬時に口を塞がれた。
くそ…
僕は…
こんなに涙もろかったのか?
でもさ…わかってよ…
僕が今…どれだけ嬉しいか…
わかってくれ…
こんな嬉し涙が流れたことなんてない…
ずっと求めてた
もうずっとずっと長いこと。
本当に100年もお姫様を待っていたみたいに…
自分でも呆れるくらいに…
なんでこんなに……こんなに……
僕は……
「っはぁ…ぁ…愛してる… レイっ…」
「私も…っ…愛してる…っ…」
切ないくらいに。