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walking proud~呪術廻戦~R18~

第38章 voyage ■


「…僕のあの時の最後の願い事、叶っちゃったわ。」


レイは少し沈黙してから思い出した。

あぁ…むかーしゲームで賭けて、
3つ願い事を聞くっていったやつ…


「いっとくけど、セックスのことじゃないからね?」

五条がゴムを処理しながら言った。

「え?…そうなの?」

「は?何言ってんの…」

呆れたように隣に寝転び、グッとレイを抱き寄せた。


「… レイの王子様になること…
…だよ…バカ。」


そう言って髪にキスをし、目を閉じる。


レイも目を瞑りながら耳を澄ませる。

顔を押し付けている五条の胸から大きく鼓動の音が響いてくるのが分かる。
それに負けないくらいに今、自分の中の音も大きい。




悟は…私を抱いた…
私は…悟に抱かれた…


すごく不思議な気分だ…


なぜだかずっと、ずっと、

こうなることを期待していたような
こうなることを求めていたような

まるでこうなることが最初から分かっていたかのような


ねえ悟?

本当は…
このシナリオは初めから
決まっていたのかもしれないよ?



これが新たな物語の始まりなんじゃなくて、
最初から決まってた脚本なんじゃないかな。

だって…


悟は私のことを…ずっと…
なによりも大切にしてくれていた。

誰よりも私のことを見ていてくれて
誰よりも味方でいてくれた…

誰よりも私の幸せを願っていてくれた。

だから私は今ここにいて、生きている。

悟がいなかったらきっと私はとっくに……



Someday my prince will come. Someday we’ll meet again.
"いつか王子様がやって来る。いつの日かまた巡り会える。"


残酷だと思った言葉が今は全然違ったものに感じる。




レイは五条の胸に顔を埋めたまま呟くように囁いた。


「ねぇ…悟?」

「うん?」

「悟が好きって言ってくれて…私、幸せ…」

「ふっ、僕は、好きっていっぱい言いたくなるレイがいて、もっともっと幸せだよ?」

その言葉に、ドクンと鼓動が跳ね上がり、しばらく沈黙してしまった。
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