第38章 voyage ■
吸い寄せられるように唇が重なった。
何度も角度を変えて互いを慈しむような深いキスを交わす。
それが徐々に、貪るような激しいものに変わっていった。
熱い舌が口内を動き回る。
「んっ…あ……っふ……」
「…ん…… レイ…っ」
五条の手が服の中に入り込む。
ブラの上からゆっくりと乳房を揉まれ、レイの体がビクッと跳ねた。
繋がっている口元から、くちゅ、じゅじゅっと淫靡な音が漏れ、互いの甘い吐息が鼓膜から脳を揺さぶるような刺激を与えてくる。
唾液と同じ方向に、目尻からも涙が伝い落ちた。
気がつくと、あっという間にブラのホックを外され、直に胸の突起ごと手のひらで転がされていた。
「っあ……んっ…ふ…っ」
くすぐったいような痺れるような快感に全身が泡立ち呼吸が苦しくなる。
プハッと唇が離れたかと思えば、服ごと擦りあげられて顕になった乳房に舌を這わされる。
突起を甘噛みされ、もう片方を撫でられるように優しく揉まれ、喘ぎ声を抑えたくて咄嗟に自身の指を噛んだ。
「んっ……くっ…はぅ…っ、悟っ…」
「っは……レイ…もっと声聞かせて…」
そう言うやいなや、上の服を全て取り去られた。
そして、五条も上を脱ぎ捨て、互いの上半身が顕になる。
顔を赤らめ、呼吸を荒くし、潤んだ瞳で懇願するように見上げているレイに、五条はふふっと笑った。
「そんな顔したら我慢できなくなるって言ったじゃん…
僕、優しくできるかなー…自信なくなってきた。」
たまらずレイが両手で顔を隠すと、五条はレイの下を全て脱がせ、自身の下も脱ぎ去り、一糸まとわぬ姿で覆い被さる。
「ね…その顔…見せて…」
「…いや…っ」
「……しょーがないな…」
ガッと両手首を掴まれ、目を見開くと五条の白い歯が見えた。
「……少し…乱暴しようか…」
「っ!…ぃあっ……」
手首を上に押さえつけられ、開けた視界の先には、ニヤリと笑う五条が色欲を纏った視線で見下ろしている。
片手で両手首を上に縫い付けられたまま、噛み付くようなキスをされる。
全部忘れろよ…
そう言われているような気がした。