第37章 nightmare
レイは当時お気に入りだった1冊を取ってソファーに座った。
それは、ディズニープリンセスのセリフが英語で書かれている詩集のような1冊だった。
「あ〜!これさぁ!僕のお気に入りの言葉があったんだ!
じゃー退屈しのぎに僕が帰ってくるまでそれを当てといて!」
もぅ…いちいちうるさいな…
と思いながらもレイはハイハイと頷く。
「ちなみにヒントは……あ」
「いっ言わなくていいよ!
プリンセスマニアの私にはすぐにわかっちゃうかもしんないし!ほら早く行きなよ!」
五条はフフフッと笑って目隠しをした。
「じゃっ!行って参りますっ!お姫様っ!」
「行ってらっしゃい」
シュッと一瞬で五条はいなくなってしまった。
うるさいのが去り、まるで嵐の後の静けさのようにまた静寂が訪れる。
また1人、取り残された広い部屋でレイはページを捲ってみた。
A Dream is a wish your heart makes.
"心の中で願ったことが夢になるの"
……シンデレラの言葉だ。
They can’t order me to stop dreaming.
"私が夢を見ることは誰にも止められない"
パラパラと捲っていくと、美女と野獣のベルの言葉で止まった。
I know how it feels to be different. And I know how lonely that can be.
"私は、他の人と違うってことがどういうことか知ってるわ。それに、それがどんなに寂しいことかも知ってる。"
……うん。私も知ってる。
他の人と違うことがずっとずっと寂しくて辛かった。
でもそんな時に…私にも王子様が現れたよ。
それは、お姫様みたいに夢を信じ続けていたから?