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walking proud~呪術廻戦~R18~

第34章 surround ■ 【番外編】


だからおいらはみんなとひたすら約束をしてたのさ。
それが唯一、おいらにできることだった。

"約束"はもちろん守られればそれに越したことはない。
でもただ意識させるだけでも充分だと思っていた。
あえて約束させることによっての一種の"縛り"

頭の片隅にそれがあるだけで、人間の行動は確実にそこに向かって軌道をずらしていく。

傑が言うように、"約束は破ることを想定して交わすもの"なのだとしてもだ。


"レイに悲し涙を流させない。
もしものことがあったら精一杯支えてやる。"


みんな当たり前だというように頷いた。



おいらは慰めるのが得意じゃないし、
人間の弱さに寄り添えない。
むしろそんな奴を見ると、めそめそすんな弱虫!って殴ってやりたくなるんだ。


で、やっぱ初めから、おいらにはわかってた。
というか、傑以外はみんなわかってたかもしれねぇ。



(第8章 unexpected)


「おいらもうわかってる。レイが涙を流して感情炸裂するときは、多分ひとつしかない。」

「だな…俺もわかってる。」

「そしたらお前は空になってやれよ。万が一の話だが。」

「もう空のつもりだよ」

「まだまだだね。レイは本当に上を見てない。
見てるふりして見てねーんだ。」


「1つ約束してくれクマ。」

突然真剣になる五条に、クマは口を閉ざす。

「レイに悲し涙だけは流させない努力をするって。」

「あ?お前さっきと言ってること違くねーか」

「違くない。俺は悲し涙を見たいわけじゃない」


悔し涙、嬉し涙、感激の涙…複雑なやつ
いろいろあんだろ。


つまりレイを悲しませることのないように、精一杯努力をしていこうということ…


互いの目が細まり、ジッと見つめ合う。
奥に見えるなにかを懸命に探ろうとするかのように。











……なぁ、知ってたか五条。

おいらより先にその約束を交わしてきたやつは、
お前だけだぞ。




で、今になっておいらは思うんだ。







お前はその約束をずっと守れてる。




誰よりも一生懸命にな。











ーFinー
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