第33章 perplexity
「ぐっもーにーん!!
おーきてーっ!朝ごはんできたよ!」
「んん……」
心底迷惑そうな顔を一瞬見せたかと思えば、また布団に潜ってしまったレイに目を瞬かせる。
え、こんなに寝起き悪かったんだ。
初めて知ったなー。
こりゃ、傑も苦労したかもな
などと思いながら、布団ごと大きく揺する。
「おーい!起きなよお〜
クマ野郎なんてとっくに起きて新聞なんか読んじゃってるよ?おっさんみたいに。」
まぁクマは元々ほとんど寝ないで読書ばかりしている生物なのだが。
「いつまでもそんなふうに寝てると、僕のいいようにされちゃうよー?あー、おはようのチューしちゃおっかなぁ〜」
「・・・」
それでも微動だにせず、くーくーという寝息が聞こえる。
まぁ、あれだけ泣いて、七海とも再会してきつく抱きしめられていたし、いろいろと疲れているのも無理はない。
しかし…あのナナミンがあそこまで…抱きしめるという衝動を抑えきれないくらいに感動しているのは初めて見た…
や、そんなことはどうでもよくて…
「……マジでするよ?レイ。
いいんだね?いいね?はい、おっけー。」
五条はバッと勢いよく布団を捲ると、丸まって寝息を立てているレイの隣に寝転んだ。
「すごーいあったか〜…
って、そんなん言ってる場合じゃないな…」
レイの頬をペチペチと叩く。
なんとそれでも起きない。
「……おーい…
ホントに襲うぞー?…」
五条はレイの顎を掴み、親指で唇をなぞった。
あいつはいつもこの顔をどんな思いで見つめていたのかな…
熱い…ぷるぷる…それに…
柔らかすぎる…
てか普段よりも寝顔の方が可愛くね?
やはり衝動的に唇を奪いたくなってしまった。
顎をクイッと持ち上げ、顔を近づける。
「カウントダウンスタート〜…
10…9…8…7…」
徐々に唇を近づけていく。
それでも起きないレイをジッと見つめながら。