第32章 indifference
「今回僕は引率できなくてね!でも安心して!
信用できる後輩を呼んだからっ!」
そう言われて目の前に紹介されたのは、五条とはまるで正反対ともとれる、とても神経質そうなスーツ姿の男性。
「脱サラ呪術師の七海くんで〜す!」
「その言い方やめてください」
「呪術師って変な奴多いけど、コイツだけは会社勤めてただけあってしっかりしてんだよね!」
「他の方もあなたには言われたくないでしょうね」
ニコリとも笑わないどころか、ボソリと呟く言葉がかなり辛辣で、虎杖は五条と自分とのあまりのテンションの違いに戸惑いを隠せない。
「虎杖くん、私と五条さんが同じ考えとは思わないでください。私はこの人を信用しているし信頼もしている。でも尊敬はしていません。」
「あぁん?!」
七海はまだ完全に呪術師の世界に戻ってきたわけではなかった。
ただ、五条とのあの会話以降、明らかに自分の中の何かに突き動かされていた。
しかも、今回の任務に限っては、断る訳にはいかないような内容だったため了承。
なかなか危険な呪霊な上に、
そもそもこの少年自体に問題有り…
「宿儺という爆弾を抱えていても己は有用であると、そう示すことに尽力してください。」
「…俺が弱くて使えないことなんてここ最近嫌というほど思い知らされてる…
でも俺は強くなるよ!強くなきゃ、死に方さえ選べねぇからな。
……認めさせてやっからさ!もうちょい待っててよっ!」
「いえ、私にではなく上に言ってください。
私はぶっちゃけどうでもいい。」
「あ、ハイ……。」
どうも噛み合わないな〜と虎杖は不安しかない。
しかし、その後、1級呪術師 七海健人の強さには圧倒されていった。