第30章 reunion
虎杖は目の前の映画に釘付けになっていた。
さっきまで眠かったのに、
そんなのは吹き飛んでしまった。
なぜなら今、とてつもなくいい所だからだ。
コーラを飲みながらも、映画に耳を澄ませる。
"赤の動線…青の動線…
どっちを切ったらいい?"
"…昔、住んでたゴミの指定袋がね、"
"おいおいこんな時に何の話だい"
"プラゴミが赤で…燃えるゴミが青だったの…
でも私、思ったわ。普通逆じゃない?って…"
"な、何が言いたい…"
"だから!赤よ!そう…きっと赤よ!"
ボコボコボコ!!!
ドガガガガ!!!
「ぶっ!!しゅーーー!!
ゲホッ!ゲホッ!!おぃぃ〜!!
コーラ飲んでる時はやめてぇーー!!!」
ドキドキしすぎて呪力が乱れたせいで、クマのパンチと蹴りが盛大に飛んだ。
「あー…もう……
びしょびしょだぁ…うー…」
虎杖は自分の服をタオルで拭いながら、クマを睨みつける。
あれ…
そういえばこの人形がしてるペンダントってなんだろう?
しかもなんで2つも同じものが二重に付けられてんだ?
そっとペンダントに触れる。
あ…ロケットペンダントか…
開いてもいい…かな?
恐る恐る、それを開いてみた。
「……?…誰だろ?これ?
みんな知らない人だ…」
そこにはめ込まれていたのはプリクラ。
もう一方のペンダントにも同じもの。
このクマのぬいぐるみと、
それから、
今の自分と多分同じ歳くらいの、髪の長い男の人と、女の人。
中学生くらいの女の子。
みんなとても楽しそうに笑っている。
五条先生は写ってない。
「え、どういうこと?
なんで知らない人のプリクラ入れてんの?」
まーいっか。
そう言ってペンダントを閉じ、再度DVDを選び直そうとした時だった。