第28章 cause
「申し訳ありませんっ…
何者かが私の帳の上から二重の帳を下ろしていましたっ…加えて、予定にない準1級レベルの呪いの発生…」
伊地知は五条に頭を下げた。
棘と乙骨のペアで行かせた任務が、あまりの大惨事になったからだ。
しかし、2名とも負傷のみで済んだ。
しかし責任感の強い伊地知は何度も謝る。
「全ては私の不徳の致すところ…なんなりと処分をっ」
「いやいい…相手が悪すぎた。」
伊地知は顔を上げる。
「……と…申しますと…?
犯人に心当たりが?」
五条は無表情のままはっきりと言った。
「夏油傑……
4人のうちの特級が1人、百を超える一般人を呪殺し、呪術高専を追放された。
……最悪の呪詛師だよ。」
「ま…さか……」
あの人が?!
伊地知の顔色はみるみる悪くなっていった。
五条は長い息を吐く。
傑……
近々会うかもしれないね…