第24章 calamity
パリパリパリ…
夏油は突然割れた方位磁石を見て目を見開いた。
震える手でそれを掴む。
「… レイ…
君は結局…最期の最後までアレを使わなかったのかい?」
ゆっくりと瞬きをし、目を瞑った。
全部全部、
猿共のせいだ。
カシャ…
呪力でそれを握り潰した。
その瞬間から、夏油の中で何かが崩れ落ちた。
「ねぇ、夏油様?
五条悟って何者〜?」
突然のその声で一気に現実に引き戻される。
「ちょー強いって噂だよねー?」
本当に興味があるのかないのか分からない顔をしながら、また髪を弄っている。
「……親友 " だった "んだ。
ケンカしちゃって、それっきり。」
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