第24章 calamity
夏油の部屋は片付けられた。
クマが描いてくれた2人の絵と、両親と棗の絵はどうしても捨てられなくて、レイの引き出しに棗のペンダントと共にしまった。
その中には稲妻型のピアスもしまってある。
自分のペンダントは、外せなくてずっとしたままだ。
そういえば、、と思い出す。
最後に会った夏油は、髪をハーフアップにしていた。
髪ゴムはレイがあげたもの。
そして、皆とお揃いのミサンガもしていたし、プレゼントしたクリスタルのピアスもしていた。
どういうつもりだったのかな。
突き放すなら思い切り突き放してくれればこんな思いはしなかった。
こんなに引きずらなかったはず。
こんなに考えなかったはず。
「ねぇ、傑…
私って女々しいかな…」
今までたくさん撮ってきた写メをスクロールしながらふと呟く。
日常でのツーショット
ディズニーでの写真、あのときのキスの写真
クマと夏油とのスリーショットもいっぱいある。
何気ない日常の思い出。
あなたが隣にいることが当たり前になっていた。
当たり前すぎて、未だに受け入れられていない。
というか、信じてすらいない。
あんなに大切にしていた家族まで殺して…
そんなの、絶対に傑じゃない。
「ねぇ…今、どこで誰と何をしてるの?」
そこに私はいてはいけないの?
最後に言っていたあの言葉の意味も
全然わかんないよ…
傑…
あなたを
探しに行きたい。
また会って抱き締めたいよ…
いつもの優しい笑顔を向けてほしい
いつもの優しい声で囁いてほしい