第23章 cruelty
なぁ
こんな別れってあるかよ
勝手だ
勝手すぎる
どいつもこいつもだ
もしも俺の眼が"普通"だったら?
この世界はもっと単純で
もっと不鮮明で
もっと純粋で
もっと清潔で
もっと・・・
ダメなんだ、お前のことになると…
この世界が心底腐って見えるんだ
過ごした時間はきっと誰よりも長く
互いの性格、趣味趣向は熟知してたし
どんな時になにをしてやるべきかとか
大抵理解できてた。
顔を見れば何を考えてるかなんてのも
すぐに分かるほどだった
でも・・・
なにが本音で
なにが正しいのか
わからなくなるんだ
なぁ
新しい家族ってなんだ?
お前が殺した家族以外の家族が
まだいんだろ
お前がいなくなってからのこと
想像すると
黒くて苦くて不味い何かが
喉に詰まった感じがして
お前みたいに呪霊の味はしらねーけどさ
胸糞悪くて
息ができなくなりそうなんだよ
なあ
どうすりゃいいんだよ俺は
お前は…
夏油傑は…
俺の
たった1人の
親友だったはずだろ
.