第23章 cruelty
あれから3日経った。
憔悴しきっているレイは、ずっと部屋に篭もりっぱなしだった。
いろいろな者がレイの様子を見に行った。
変な気を起こしていたら…と思うと、1人にさせてやりたいとは誰も思わなかった。
任務の入っていない時間は必ず彼女の元へと誰かしら行き、食事を運んだりしていた。
しかし、それにはやはりあまり手をつけず、一日中ベッドの上にいるようだった。
五条は今、夏油の部屋にいた。
元々綺麗好きの彼の部屋はよく整理整頓されている。
机の上の絵…それは、レイと夏油が眠っているところが、精巧に描かれているもの。クマが描いたものだ。
そして、ディズニーで撮った、耳をつけた4人とクマの写真。
さらにその隣には、夏油の両親と棗 3人の絵が飾られている。
これも、クマが描いたものだと言っていた。
「…棗、悪かった。許してくれ…ないよな…」
結局1度も会いに行けなかった。
自分を待ってくれていたはず…なのに…。
無理に時間を作ってでも行けばよかった…
いや違う…
俺がもっと早くに…何かに気がついていれば…
こんなに何かに対して後悔したことは初めてだ。
そう思って唇を噛み締めたとき、スマホが鳴った。
硝子からだった。