第3章 comrade
翌日の新幹線のホーム。
やはり時間的にもすごい人混みだ。
ホームの中にもお土産屋さんがたくさんあり、いろいろと購入し終えてレイは他の3人を待っていた。
五条は新幹線の中で食べる菓子を漁っているようだ。
「ねぇ、そんなに食べられるの?」
カゴの中を見ながら横から声をかけると、五条はポカンと口を開けてから言った。
「レイだって食うだろ?あいつら2人も」
ふと視線を走らせると、夏油と硝子はなにやら相談しながら丁寧に土産を選んでいるようだ。
「いやどうかな…少なくとも私は寝てると思うけど」
帰りの道中といったら、たいてい皆寝てしまうのが定番だろうと思った。
しかし五条はニヤリと白い歯を覗かせた。
「あ、そっか、なるほどー。昨夜は傑に寝かせてもらえなかったかぁ…」
「ちょ!違うって!何言ってんの!」
一気に顔が熱くなり、バシンと肩をはたく。
心底おもしろそうに五条が笑うものだから馬鹿にされている気分になり、その場を離れた。
店から出て入口付近でスマホをいじっていると、頭上から声をかけられたのに気が付きハッと顔を上げる。
「君も高校生ー?どこから来たのー?」
目の前にいる私服姿の男3人も、自分と同じくらいの年齢に見える。
観光で来た高校生だろうか。
「えっと…東京から…ですけど?」
「へぇ〜そうなんだ!にしても珍しい制服だなぁ」
「奇遇だな!俺らも都内の△△高校なんだけどLINE交換しよーよ!」
「ええっ?!」
突然スマホを取り出して楽しそうに笑顔を向ける3人の積極的な態度に唖然とする。
「制服で来てるってことは、他のクラスメートを待ってるんでしょ?その子も見てみたいな!」
「や…無理です。いきなり見ず知らずの人と連絡先交換とか…」
思い切ってそう言ってみるが、3人は顔色一つ変えない。