第20章 curse
「そもそもな、地方に比べて東京で産まれる呪霊が厄介なのは、負の感情の量はもちろん質によるものだからだ。
単純に住んでる人間がクソ多いから、負の感情が生まれやすいし、その質もドス黒い。めんどくせーことこの上ねーわ。」
「だね…天災の影響はほんっと大きかった…」
3人とも灰原のことを思い出して顔を曇らせた。
そして、クマがウンザリ気味にため息を吐く。
「はぁ… 天災に対する人間ならだれもが持っている負の感情…自然に対する畏敬の感情から産まれる呪霊は、超強力なやべぇー呪霊になる。
特級の五条や傑らへんしか、安心はできねーな、おいらは。」
「そうだね…私ももっと頑張らないとなぁ…」
「あいつらを基準に考えるな。奴らは次元が違うと思った方がいい。
とくに五条に関して言えば、元々の才能もあって、覚醒した今では術式・領域展開が最強クラスになってる。身体能力は特級呪霊を屠るほどの力だし、対複数人を相手にした複雑な戦闘も平気だ。」
「そっかぁ…やっぱ適わないなぁー」
「しかもあいつは呪力コントロールにも長けてるから、今なんて反転術式を永続的に使用して脳は常に最良の状態を保ってんだ。今では全てに隙のねぇ、おいらをも凌ぐ最強の存在だ。グラサン野郎は。まぁもちろんほぼおいらのおかげだがな!」
「えー、じゃあ傑は?」
「傑の野郎も今じゃ特級呪術師だかんな。あいつの強みはなんと言っても呪霊操術によってかなりの数の呪霊を使役することができることだ。
呪いの数だけ攻撃・防御パターンが存在するわけだからな。準1級以上の呪霊もけっこー持ってるしあいつ。」
「いーなー。私まだ準1級以上は3体しか持ってないよー。しかも一体は傑から奪ったやつだし!」
少し笑って見せたが、同じ呪霊操術を扱う者としてとても悔しい。