第20章 curse
「傑、大丈夫ー?なんか最近痩せた気がするよ?」
レイは心配そうに夏油の顔を覗き込んだ。
あの出来事があってから、彼は時々とても暗い表情をしていることに気がついていた。
「はは、大丈夫。それよりレイの方が痩せたんじゃないか?ちゃんと食べてるのか?最近任務で入れ違いのことが多いから、君が食事しているのを見ていない気がするな…」
確かにそれはその通りで、多忙すぎて皆が揃うことがあまりなくなっている。
「んー…そぉかなぁ。あ!そういえば、前〜にクマと行ったカフェ、傑も行こうよ!約束したじゃん?」
そうだ、なんだかんだ忙しくて気が付くと半年も経ってしまった。
今日これからお互い任務に出かけて、帰ってきたら行けるかもしれない。
そう思って提案する。
「私たちは、"家族"なんだから。一緒に行こっ!」
その言葉に、夏油はフフっと笑う。
「うん、わかった行こう。じゃあ速攻終わらせて帰ってくるよ」
優しい笑みを浮かべる夏油に、レイはたまらずキスをする。
今は夏油の部屋にいるので誰も見ていない。
唇を離すと、彼の手が後頭部に滑り込んできて、またグッと顔が近づいた。
額と額がくっつき、見つめ合う。
「今夜こそは、君を抱けるよね」
その言葉に僅かに頬を赤らめながら笑って頷く。
ここ1週間、肌を合わせていない。
そのまままた唇が重なり、互いの舌が絡まり合う。
何度も角度を変えて、深く濃密な口付けをした。
「傑これ…やっぱりすごく似合ってる」
夏油にあげたクリスタルのピアスは彼の美しい顔にとてもよく似合っていた。
そもそも彼は、ゴージャスな宝石のようなものが良く似合う顔をしている。
「ふ…なんだか私の耳もどんどんレイとお揃いになっていく気がするなぁ」
「このまま私みたいに耳が宝石になっても、傑は絶対似合うよ!」
「はは…君との共通点ならなんでも嬉しいな」
そう言って夏油はレイのルビーを触って目を細めた。