第18章 holy night■
"その優しい傑がさ、何を考えているか知っているかい?"
その意味は、ちょっとよく分からなくてレイは何も言えなくなる。
次の言葉を待っていると、更にギュッと抱きしめられ、耳元でまた囁かれた。
「君のことを、めちゃくちゃに犯したい…って思ってる」
ぞわりと鳥肌が経ち、血流が早くなるのがわかった。
「嫌だと抵抗してもぐちゃぐちゃにして…君が意識なくすまで乱れ狂わせて……」
その囁きはとても柔らかくて甘いのに、どこか加虐的なその言葉。
それでもレイの情欲はみるみる高ぶってしまった。
「…それでも…私が優しいと思うかい?」
その言葉に、レイは見開いていた目をギュッと閉じて強く夏油の体に力を込めた。
泣き叫ぶような押し殺した声で堰を切ったように答える。
「…思うっ…!…思うよ!
…傑はいつだって…優しい…っ!」
夏油は眉をひそめて、ふっと笑った。
後頭部をギュッと引き寄せて、悩ましげに笑う。
「君には敵わないな…なぜこんなに私を掻き乱すのかな…どこまでも…」
そう言ってそのままゆっくりと押し倒した。
眉をひそめて懇願するように見つめてくる彼女の頬を指でなぞる。
震える唇にキスを落としてから言った。
「でもやっぱり…君を無理に犯すなんてできないんだよな…どこまでも、君が望むように抱いてやりたいと思ってしまうんだ……」
レイが息を飲むのがわかった。
夏油は目を細めてレイの唇を指でなぞる。
「… レイ…可愛い」
大きな潤んだ瞳には自分が映っている。
ここまで好きだと思えて、無いと思っていた自分の独占欲や嫉妬心までにも気づかせた子は初めてだと、そう夏油は自覚して自嘲気味に笑った。