第17章 existence■
どちらにも電話をかけるが繋がらない。
嫌な予感がし、全身に鳥肌がたってきた。
「くそ…何やってんだよ、ドラえもんとドラミちゃんは!」
走り出そうとした瞬間、突然体が鉛のようにズンと重くなり、動きが鈍くなった。
「っう……」
"悟…大好きだよ…"
「・・・は?」
"こっちへ来て悟!"
"傑はもうやめたの。悟の所へ行きたい"
五条はしばらく目を見開いていたが、自嘲的な笑みを浮かべてクククと笑った。
「…んなこと… レイが言うわけねぇじゃんウケる…
レイはなにがあっても傑しか見てねぇんだよ…」
まだレイの声が聞こえてきているが、
もう五条の脳内には言葉自体は入っていなかった。
「あいつが傑より俺を選ぶことはねぇんだよ…
まぁ知らねぇよな…
お前ら呪霊なんかには…」
"悟、好きだよ…"
"じゃあな、悟。レイを頼むよ"
「はぁ?!」
突然聞こえてきたのは夏油の声。
はっ。バカにしやがって…
いくら冗談のセンスがなくてもな、
んなことあいつが言うわけねぇだろ…
タチが悪すぎる呪霊だな…
許さねぇ…
五条の頭に血が登り、俯きながら目が血走った。
「俺の親友と、その大切な恋人を!!
侮辱すんじゃねぇよ!!!!」
ドッカーーーーーン!!!!!!!!!