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walking proud~呪術廻戦~R18~

第16章 division


顔に手を当てる。

ベトベトの感触。
甘ったるい匂い。

口に入ってきたその味。

「………甘……」


これがケーキなのだということを認識するのにそう時間はかからなかった。

目を擦りつつ片目を開くと、大笑いしている3人と、
クマが、うめーと言いながら顔にかかっていたクリームを舐めているところだった。

「あーははっ!やばい笑いが止まらないっ!けどっ
見事命中してよかったあぁ〜結構緊張してたんだよ」

「ふははっ…レイの呪力コントロールはかなり正確だったよ」

レイの頭をポンポンしながら褒めている夏油たちを五条はボーッと突っ立ったまま見つめている。


「あれぇ?感激しちゃって喋れなくなっちゃった感じー?」

硝子の言葉に、五条は一気に我に返った。

「おいっ!ふざけんなよ俺の美しいお顔をどうしてくれる?!ほんっとこーゆー時にグラサンしてないとかマジ不運。」

レイに渡されたタオルでケーキを拭う。


「はい。改めてお誕生日おめでとう。」

開けた視界から、にっこり笑うレイが映る。
その手にはプレゼントの箱。

「・・・あ、りがとう」

「開けてみてよ」

「ちょっ、と…待てよっ、手ぇ洗ってくる!!!」

どこか照れたような顔でドタバタと走っていってしまった。


3人は顔を突合せて笑う。

「はー面白かったぁー」

「悟が照れてるところを見られるなんて、ホント一年に1度しかないならな」

「あとあいつのマヌケ面もね。にしてもあの様子だと誕生日忘れてたっぽいね。去年は祝え祝えってうるさかったのに。まぁ、あんなことがあった後だしね…」

その言葉には皆表情を歪めた。


「おいらマジ焦ったぜぇ。あのバカがグラサン買いに行こうとするから」

レイはありがとうの気持ちを込めてクマの頭を撫でた。
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