第16章 division
「あーわかったわかった。じゃーケーキは15個くらいにすんよ。で、サンタ役はレイで決まりっ!」
「えぇ?なんで私なの?!」
「傑が見たいんだってよ!ね!傑くんっ♪」
「私はそんなこと言ってな」
「いいや、言ってた。顔が。俺は目がいいんでね。
知ってるだろう?」
ジィっとギラギラした蒼眼で見つめてくる五条を、夏油は睨む。
「……君のその六眼をほじくり返してやろうか?」
「ふははははは!今の冗談のセンスはなかなかよかったよ?傑!そーいや今年は俺らにも後輩がいるわけだし、トナカイはあいつらにやらせちゃうぅー?んで冥さんあたりにまた極上のチキンとか用意してもらっ」
「なぁグラサン野郎、それちげーだろ。」
突然クマがスマホを弄りながら低い声を出した。
なんとクマはもう今ではmyスマホを持っているのだ。
さっそくクリスマスについて調べているようだ。
「あん?なんか文句でもあんのかクマプー」
「チキンじゃねーだろ。七面鳥だろ、ターキーだろ。
そうここに書いてある。
不教徒の奴らにエセ誕生日会やられてイエスキリストも迷惑な話だな」
「・・・」
皆が押し黙っている中、
夏油だけが、確かにそうだったな、と言った。
「ターキー食いたい!ディズニーで食ったやつだよね?!ビールにめっちゃ合うやつだった!」
「私もあれもう一度食べたい!」
硝子とレイが同時に声を上げた。
「じゃーレイが冥さんに頼んでこいっ!レイの頼みだったらあの人なんでも聞くだろ」
「・・・わ、わかった。」
去年は本当に全てを皆に任せっきりだったので、今年こそは少しでも自分も協力しなくてはと思い、笑顔で承諾した。
それにこれならば去年のように、闇鍋をやらなくても済みそうだ。
去年は丸ごと入っていたあっついプチトマトで口を火傷したんだった…