第14章 surreal
「ふん、やはりな…」
「え?」
帰りの車内で、クマがレイのスマホを弄っているのだが、不敵な笑みを浮かべはじめた。
ホイと渡されたその画面を覗き込む。
「えぇ?!ななにこれぇ?」
「見ての通り、星漿体のガキだ。」
そこにあるのは、中学生くらいの制服姿の女の子…天内理子の写真と、タイムカウントダウン表示、賞金、そしてその詳細だった。
「っ!!懸賞金をかけられてる?!」
「おう。ウケるな」
「ウケないよ!!早く傑に連絡しなきゃ!!」
呑気なクマを一喝してから急いで電話をかけようと、震える手でスマホを操作する。
夏油とのやりとりのページ…
今日は何度もやり取りをしている。
"星漿体・天内理子ちゃんを確保。
落ちてきたのをキャッチ!"
"えっ!?落ちてきたの?"
ー添付写メー
その写メには、天内理子とメイドさんらしき女性、Qと思われる捕縛した犯人たちの前でピースしている五条と夏油が写っている。
"そう…なかなか変わった子で困ってる。
中学生なんだ。今学校に潜入中"
"そうなんだ。気をつけてね。
不審者で通報されないよーに!"
"そっちは大丈夫?"
"こっちは現場向かい中だよ!
森さんの車で森に向かい中!"
"笑…気をつけてね!怪我するなよ!"
"よゆーで終わらせる!"
ここからメッセージは途絶えている。
電話の呼出音が鳴る。
先程のこともあり、ドキドキしすぎて心臓が爆発しそうだ。
横目でクマを見ると、森となにやらお喋りをしているようだが、その内容すら全く耳には入ってこない。