第14章 surreal
「盤星教は非術師の集団だから特段気にする必要はないと思うが、警戒すべきは呪詛師集団のQだな…」
「まっ、大丈夫っしょ〜俺ら最強だし!」
道中、ジュースを飲みながら余裕な態度の五条を、夏油は横目で見つめる。
「ところで悟…もしもその星漿体の子が、同化を拒んだら…どうする?」
「っんぶ。…星漿体のガキが同化を拒んだときぃ?!」
その静かな声に、訝しげに五条が見やると、真剣でいてどこか複雑そうに唇を噛んでいる夏油がいる。
夏油の言いたいことは何となくわかる。
わかるからこそ…
「……そんときは、同化はナシ!!」
その言葉に、夏油は目を見開き、すぐにまた笑った。
「ククッ…いいのかい?」
「あぁ?」
「天元様と戦うことになるかもしれないよ?」
「はん、ビビってんのー?」
ニタリと笑う2人の顔が近づいた。
昔からこの笑みを突き合わせる時は、必ず今まで一緒に何かをしでかして、そして何度も夜蛾に問題児だと罵倒されてきた、まさに青春真っ只中の2人。
久しぶりに感じるこの空気は、なぜか居心地がいい。
「大丈夫っ。なんとかなるって。
だって俺らは"最強"なんだから。」
2人同時にフッと笑った。
今日は天気が良く、澄み切った空気なのに、ここだけ何か別のものが纏っているように感じた。