第13章 quarrel
そして今日はレイとクマも任務を任された。
みんなで昼食を食べてから各々出向くことになった。
「傑…」
「レイ、そんな顔をするなよ」
「寂しいんだもん、それに、…」
「たった2日だよ。すぐ戻る。」
別れ際、呆れ顔の五条とクマを背に、いつまでもイチャイチャ別れを惜しんでいる。
「いつまでやってんだ、あいつら…」
「だな、もー俺らで行っちゃうぅー?くまポン。」
「だがお前気をつけろよ。グラサン野郎。」
「えーなに?珍しく心配してくれてんのぉ?!」
クマはただ顔を険しくしている。
そんな珍しい表情と態度に五条は目を丸くする。
「もしかしてQとかなんとか教とかそんなのに俺らがやられるとか思ってるわけぇ?」
「違ぇよ。それだけじゃねぇ可能性が高いからに決まってんだろ。傑の言うように、お前は脳ミソ足りてねーんか?」
「……え?」
いくら夏油の笑顔を見ても、レイの神妙な面持ちは直らない。
2人で最強と言われている五条と夏油コンビだからこそ直々に指名され、今回の大きな任務に駆り出された。
だとしても、危険な任務ということは分かっているのでやはり心配だ。
「気をつけてね?ホント…」
「ふ、私を誰だと思ってるんだ?大丈夫だよ。」
夏油はいつもの笑顔でレイの頭を撫でた。
レイは眉を下げて少しだけ笑みを浮かべる。
なぜか今日はものすごく不安を感じてしまうのは何故だろう。
「本当は行く前にレイを抱きたかったんだけど…」
耳元でそう囁かれ、こめかみにキスをされる。
それだけで一気に上気し鳥肌がたってしまった。
「…連絡…してね……」
ようやく発せた言葉は震えていた。
夏油は返事の代わりに彼女の唇に優しくキスをする。
悩ましい笑顔の彼女を見つめた瞬間、
いい加減はよせい!というクマの声が後ろから聞こえた。