第12章 nihilism
そして、無事に全員でこの日を迎えることができた。
目の前に広がるのは透き通った青い海と青い空。
天候にも恵まれて最高だと思った。
風も強くなくて気持ちがいい。
あちこちでシュノーケリングをしている人や
海水浴をしている人、遠くにヨットや小舟が見える。
たくさんのパラソルが並んでいる。
やはり夏休みシーズンということもあって人が多い気がするが、それでも今日は結構少ない方らしい。
というのは、目の前にいる冥冥に聞いた話。
ここ伊豆のヒリゾ浜は、海が綺麗で知られる有名スポット。
前に彼女に聞いて、1度は訪れたいと思っていたのだ。
特殊なこの海場には、船でしか来られない。
なんと冥冥は船を持っていて、ここへ案内してくれた。
「ほんっと綺麗すぎるー!透明の海なんて初めて見たかもー!!」
「うんっ!やっばいね!!!てかレイやっぱその水着ちょー似合ってるよ!」
早々に水着に着替えたレイと硝子は、もうずっと興奮状態。
水着は、硝子のアドバイスで選んだもの。
最近流行りの形のビキニらしい。
しかし、硝子の方が色気が出ていて似合っているなと思ってしまった。
その数倍上を行くのはもちろん冥冥なのだが…
と思ってチラリとそちらを見ると、目が合った。
実にナイスバディだ。
元々色気のある顔立ちとその体型がビキニ姿ともなれば、周りの目までをも惹き付けているのはさっきから気がついている。
「どうだいー?かなりいい場所でしょう?」
「はい!ほんと圧巻です!ありがとうございます冥さん!」
「礼には及ばないよ。レイちゃんの頼みならば私はなーんでも聞くさ。」